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2010年08月 アーカイブ

味を感知するメカニズム 2

そして、結論として


「舌においては、味を感受する味蕾の多いところが、すべての味覚に対して敏感である」


・・・と書いています(「日本人の味覚障害」、『生物の科学遺伝』1996年5月号)。


なるほど、こう考えたほうが実感に近いです。


さて、味蕾で感じとられた味覚は、味蕾の中にある味細胞から神経を経て脳へ伝えられて味を区別します。


脳の中では、その味覚情報とともに、過去の体験による快・不快、食べるか食べないかという行為も含めて、すべての生体反応が行なわれます。


人間の味覚感知、食行動は、こうしたシステムで展開されているのです。

現代人の味覚に異変

味がわからない、違った味に感じるなど味覚に異常をきたす人は、年間約14万人にものぼります。


1976年、日本大学附属板橋病院に「味覚外来」が開設された当初は年間100名程度だったのが、その後3倍に増えています。


いまでは他国に比べても多いレベルになってしるとしう味覚障害の原因としては、さまざまな要因が考えられます。


臨床の立場から多い順にみると、トップは「食事性による亜鉛欠乏症」、続いて「薬剤による副作用」、さらに「肝臓・腎臓・胃腸の疾患、甲状腺の機能低下、糖尿病などの病気」「心因性」「唾液分泌などロ腔の疾患」「嗅覚異常からくる風味障害」「味覚神経の障害」と続いています。


外来に訪れる患者の年齢層をみると、1970年代は40~50歳代がピーク、その後70歳代が増加し、1980年代後半からは70歳代がピークとなっていて、日本の高齢化現象を反映しています。


この年齢層とさきの原因を併合して考えてみると、「49歳以下は食事性による亜鉛欠乏症、70歳以上は薬剤性や疾患」が、原因として大きな比率を占めていることがわかります。


(原因と患者の年齢層については、冨田寛「高齢者の味覚を保つ食事対策」、『フードケミカル』1996年12月号 参考)。

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